「すげえ雨」
突然降りだした雨に視界はけぶり数メートル先も
見渡せないほど。
ゲリラ豪雨、というやつだ。きっと。
木陰に避難したものの、幾重にも重なり合った木の葉は
あまり雨宿りの役には立ちそうもない。
「寒い」
「…結構濡れたからな」
ばさ、と音を立てて、白衣が被さる。
所詮布なので、これまた大して役には立たないのだけれど。
「冷えてる」
肩を抱き寄せられればほんのりと伝わる体温は妙に温かく。
濡れた布越しに触れ合う肌の感触はこれまた妙に官能的だとか。
「やまないな」
「うん」
「じゃあ」
「…もうちょっと」
幾重にも重なり合った木の葉は、雨宿りには無理でも他人の目から
逃れるのには役立つだろうし、白衣の傘は、たとえ役には立たなくても
肩を寄せ合う理由にはなるだろう。
「こないだやったばっかりだろう」
「ちょっとだけでいいからー」
「やりすぎると傷になるから」
「ちょっとだけー」
「…仕方ないな、ほら」
………
「こら、寝るな」
「うー…」
「動くと危ないだろ」
「ん…」
「…終わったぞ」
「………」
「…寝るなってのに…」
シャワーも浴びずに二人してベッドに倒れ込みお互いに服を剥ぎ取って髪に顔を埋めれば鼻腔を満たすのは嗅ぎ慣れた髪の匂い汗の匂い肌の匂い鼓膜をくすぐる荒い呼吸吐息の温もり身体中を満たして溢れだしそうな凶暴な衝動。
ああ。
それはまるで。
気が狂いそうなほど。
「うぉわ?!なんだいきなりっっ!」
「はー、お前のここんとこのライン、たまんない…」
「ぎゃー!なにしやがるこの変態!!」
「んー、あえて否定はしない、が。…そんなに暴れると」
「………!!!」
「なんか、興奮してきた…」
「ひーーー!!ばかばか!離せーーっっ!」
…………
たぶん3日おき位に似たようなことを繰り返してるに違いない(笑)。
「ちょ、バカ、変なとこ、触んなって…っ」
「ほー、お前のココ、変なのか。そりゃ大変だ。診てやろう」
「ぎゃー!よせバカ、やめろって…!」
……………
「や、もぅ…っいい加減に…っ」
「もーちょっとかなー。まだわからんなー」
「お前、しつこ…っ」
「なにしろ私はヤブ医者だからなー。いささか時間がかかってねー」
「……!(根に持ってやがる!)」
口が、塞がれた。
…口で。
「…ぅぐ」
唐突に触れてきた唇は、やっぱり唐突に離れていく。
「な、なんだよいきなり」
「別に。…したくなっただけ」
それはそれでいいんだけど。
それを、1日のうちに何度も繰り返さなくても良さそうなもんだが。
「…俺、男なんだけど」
「知ってるよう。見ればわかるもの」
「あんた、そっちの趣味なの」
「ううん、女の子も好きだよ。…あ、好きだったこともあった、かな。
男の子を好きになった事なんてなかったし」
「でも、なんか違うなーって、ずっと思ってたんだ」
「やっとわかった。きっと、僕は」
君に出会えてやっと気付いた。
僕はずっと
「君を探していたんだね」
「寒くないのか?」
「こん位なら平気」
さくさくと音を立てて砂浜を歩く。
海風は確かに冷たいけれど、耐えられないほどではないと思うのは、
自分が寒さに強いからだろうか。
手袋をはずしてコートのポケットに突っ込み、
むき出しのままのこちらの手を取ったジョイスが、ぼそりと呟いた。
「冷たい」
「手袋忘れた」
温かいてのひらが、冷え切った手を包み込む。
その手は、とてもやさしい。
こんな。
ひとごろしも同然の人間の手をとるための手ではないとずっと。
思っていたのに。
「ごめんな」
「…何が」
何度繰り返されたかわからないやりとり。
彷徨わせた視線を合わせられないのはいつものことで。
「…あの時、お前を連れていかなければ」
「お前、一人でどうしてた」
妙に冷たい声が、呟きを断ち切る。
「お前のことだから、ガンダムに釣られて一人で
行っちゃっただろう…私のことなんか忘れて」
「いきなりお前が行方不明になって」
「私はどうしたらいい」
「きっとお前を探して探して」
「気が狂うくらいに探して」
「それでも見つけられなくて」
手を包む手に、力が籠もる。
「あの時一緒に居られたことを、どれだけ私が」
すい、と手を引き寄せて、顔を伏せる。目の前で揺れる金の髪。
手の甲に、温かい唇が触れる。
「後悔なんてしたことない。今の状況を倦んだこともない。
…例え、世界中を敵に回しても」
その美しい髪を手を身体を、この血塗れの手が汚しても。
「私には、お前が必要だ」
温かい唇が紡ぎだす言葉は。
たったひとつのほんとうのこと。
「そろそろ、帰ろうか」
流石に寒い、と言って手渡されたのは、左手の手袋。
「…お前は」
「こっちはしてる」
手袋の右手をひらひらと振ってみせる。
「で、こうすればいい」
繋いだままの右手と左手を、ポケットに突っ込んで。
狭い空間で絡め合う指と指、ひどく温かい。
いっそ、ずっとこうしていられたら。
じんわりと伝わり混じり合う体温のように。
なにもかも、伝わればいいのに。
「まだ食べるのか」
甲高い電子音に呼ばれて、いそいそとレンジの中を
覗く後ろ姿に声を掛ける。
「何のためにこの時期にわざわざ降りたと思ってんだよー」
振り返りもせずに、弾んだ声を返す後姿に、溜息が漏れた。
白い怪しい物体に黒いシート状のなにかを
くるくると巻きつけたものを、皿に積み上げて。
こちらにやってきたイアンは、満面の笑みを浮かべている。
かたん、と音を立てて皿をテーブルに置くと、
もそもそとそのテーブルにかかった布団をまくりあげて
潜り込む。
「はー、極楽極楽」
その怪しい物体を手で直接つかむと、口へと運ぶ。
ぐい、と手を引くと、口と手の間でその怪しい物体が
糸を引いて伸びていく。
…何度見ても怪しい食べ物だ。
何故そんな怪しいものを好んで食べたがるのかが
いまいちよくわからない。
一度食べさせてもらったこともあるが、味があるんだか
ないんだか。何を目的に食べるんだかやはり
理解に苦しむ。
おまけに。
「…そんなに好きなら、上に上がるときも持って行け」
「え、別にいらね」
「…なんで」
「そこまで好きじゃねえし」
…わからない。
その、モチとかいう怪しい物体を、やたらと嬉しそうに
口に運ぶくせに。
そこまで好きでもないとか言う。
そのくせ。
「でもやっぱ、正月は餅食わねえとな」
何故かこの時期だけ食べたがる。
しかも、焼いたり温めたりスープに浮かべたり。
甘くしたり辛くしたり。
当然の結果として。
「…まだ食べるのか」
二つ目に手を伸ばす様子に、さすがに呆れる。
食事は食事で済ませたくせに。
向かい合う頬に、手を伸ばす。
「お前、少し太ったんじゃないか」
指先でつついた頬は、ぷにぷにと柔らかい。
この時期の恒例みたいなものではあるが。
そんな、糖類ばかり摂って、ろくに動きもせずに
ごろごろしているのだから当然だ。
「しょ、正月は誰だってふ、太るだろー!」
「…そんなものばかり食べているからだろうが。
いい加減、やめとけ」
不承不承、といった様子で二つ目のモチを皿に
置いたイアンが、それをこちらに向かって突き出す。
「硬くなっちまう。お前、食えよ」
「…いらん」
「じゃあ、俺が食う」
仕方ない、という顔をしてみせながら、もう一度
伸ばされた手を制し、その物体を先に手に取る。
溜息をついてから、それを口に運ぶと、にやにやと
笑いながらイアンが得意げに。
「旨いだろ?」
「…わからん」
その答えには頓着せずに、腕組みをしたイアンが
したり顔で付け加える。
「餅のない正月なんて、なんの意味もねーよな」
…やっぱり、理解できない。
うちのイアンは日系、という話。
「なに考えてるか当ててみせようか」
「・・・当てられるもんなら当ててみろって」
「へえ。・・・言っていい?」
「・・・・・うっわやめろ言うなって!」
それ、自分から言ってるのと変わらないだろ
「時々、寂しくなったりしませんか」
展望室の窓から広がる、漆黒の宇宙は何も変わらないのに。
「いなくなってしまった人の事を思い出すと」
緑の瞳、亜麻色の柔らかな髪、長い手足軽やかな笑い声。
何ひとつ変わらないその容姿は、却ってその違いを際立たせて。
目を逸らしたまま問いかける。自らの肩の辺りで揺れる黒髪は、
4年前よりも少し長くなったようだ。
くすり、と笑いを洩らす気配に目をやると。
「思い出す事なんて、ねぇよ」
返って来たのは意外な返事。
「だって」
まじまじと見つめるその顔に。
「忘れたこと、ねぇから」
浮かぶ表情は、泣き笑い。
全国大会R5用ペーパーのイアン。
肉まんにしようと思ったがめんどくさくなってあんまんに(笑)。
たぶんね、休暇中に日本に来たんですよ。
そんで、おつかいのついでに買い食いしてるんですよ。
アジトにはモレノさんが待ってるんですよ(結局それかい)。
小説3巻に衝撃の記述発見。
「JB・モレノがCB入り前のAEU軍時代からイアンと親友云々」
え。まじで?!
国境な/き医師/団入りしてる軍医なんて、ありか?
そもそも28才で医師団入りっつー時点で若すぎじゃないのか
という疑念が拭えないんですよね・・・。
参加「したことがある」とかいう程度だったらまだしも。
飛び級とかしまくってかなり若い段階で医者になってるとか
いうオチ?
でもそれって、果たして可能かなあ・・・。
常に予想を裏切ってくるドクターモレノ。
なんすかその髪型・・・。
そしてさりげなくイアンの髪形も微妙に違うのね。
久しぶりに出てくるなりペアルック(違)とか、
どうなんだこの熟年夫婦め!!
「何やってるさっさと飲め」
「飲みたくない…」
「注射は嫌、薬も嫌って、子供かお前は」
「だって、眠くなるだろソレ」
「だから飲めと言ってる。そんな身体でうろうろされたんじゃ
こっちの気が休まらん」
「でも…」
「いい加減にしろ。無理矢理飲まされたいのか」
別に、それでもいいんだけど。
「何を考えてるのか知らんが、熱が下がるまでは部屋から出さんぞ」
それはそれで、いいんだけど。
「…心配しなくても」
誰もいない部屋で寝てるのは嫌だとか。
「治るまではここにいるから」
こんなに気弱なのは、熱のせいだ。きっと。
モレイアないしイアモレにおいて、受はまともにご飯食べない法則。
そんで、攻があの手この手でご飯食べさそうとするんだ。
お互いに専門があって、寝食忘れて没頭しそうなオタクカップル
だからだね、きっと!
午前7:30
「お前、顔赤いぞ」
「そう…かぁ?」
「ちょっと待てこっち来い」
午前9:00
「頭痛ぇ……」
「わかってる」
「喉痛ぇ……」
「見ればわかる。…足出すな」
「だって熱い……」
「これだけ熱があれば当然だ。子供かお前は」
午前11:00
「…なんとかしろよ…この、ヤブ医者…」
「ただの風邪だ。寝てれば治る」
午後13:00
「もう死ぬ…」
「人間これ位じゃ死なん。いいから大人しく寝てろ」
この程度の風邪で医者ひとり独占できるのなんて、お前くらいだ。
死ぬ気なんて全然なくて、まだまだやりたいこともやらなきゃいけないことも山のようで石にかじりついたって生きてやるって。それでも例えば目覚めた朝に、手を伸ばした先に、お前がいないのはなんだかとてつもなく変な感じだ。
ああでもたとえ目には見えなくても声は聞こえなくても髪を撫でる空気に頬に触れる草に手の中の花びらに。まるで漂う煙草の匂いの様に、なあそこにいるんだろ?
死ぬ時は自分の傍で死ねって言ったのお前じゃねえか。いつもいつも約束を守らないのも時間に遅れるのも俺の方だったのに、お前の方が約束破ったのなんてこれが初めてだな。だから今度は俺が守ってやるよ。
世をはかなむ気なんて全然ないけど、いつかそれでもその時が来るって言うのなら、迎えに来るのがお前なら一緒に行ってやらないでもない、ていうか迎えに来るのはお前じゃなきゃ嫌だ。その時には、必ず、お前が。
久しぶりに地上に降りると、感傷的になっていけねぇや。
どうも、調子が悪い。
与えられたデスクにへたり込んだまま、うなり声を上げる。先日からずっとこんな調子だ。不機嫌だと解釈されたのか、同僚共は側に寄ってきすらしない。
別に不機嫌なわけではないのだ。ただ、なんだか調子が変なだけで。
それもこれもあの医者のせいだ。あいつが妙な真似をするから。考えたくもないのにふと気付くと頭の中はそいつの事でいっぱいだ。金の髪青い瞳、白衣の薄汚れた白。ふとした拍子に現れ頭の中を占領しなかなか出て行こうとしない。全くもって小憎たらしい。これは一体どうしたことか。
設計図を手にとってもやりかけの仕事を目の前にしても集中できず思い出されるのは、煙草の匂い唇の感触抱き締める腕の意外なほどの強さ。気付けば頬は火照り手で押さえれば熱を持っているかのような熱さだ。誰かの事ばかり思い出して仕事も手につかないだなんて、こんな事生まれてこのかた初めてで、どうしたらいいかわからない。
火照った頬を、デスクにうつ伏せて隠す。とくとくと心臓が刻む鼓動は、いつもより大分速いようだ。やっぱり自分はおかしいのだ。この間のあの時から。あいつが、妙な真似をしやがるから。四六時中思い出して、視線は姿を探して。とくとくと鼓動が叫んで、まるで胸の奥から名前を呼ぶみたいに。
はふ、と息をつく。零れた吐息はひどく熱っぽい。
意を決して顔を上げ立ち上がり、デスクを後にする。作業中の同僚に声をかける。ちょっと、出てくる、と。
歩き出してみれば足取りは案外軽やかだ。まがりなりにも医者なのだから、体調不良位なんとかしてもらわなければ困る。ましてや、自分が原因なのだから。責任を、取らせなくては。
理由をつけて納得させて。そうして小憎たらしいはずの相手に会いに行く。とくとくと踊る鼓動に合わせ、向う足が自然と急ぎ足になるのには。わざと気付かないふりをした。
今なら、 まだ間に合う。
無意識に伸びた手を、かろうじて止める。手のひらのすぐ下には寝息に合わせて揺れる黒髪。規則的で穏やかなその呼吸は、眠る彼の無防備さを嫌でも伝える。安心しきった寝顔、小さな身体華奢な手足さらけ出された細い喉。無意識に伸びた、手。そう、触れたくて。
鼓動が耳につく。どくどくと跳ねまわる心臓、心拍数はいつもの倍はある。タキってる。きっとそのせいだ。視界がくらくらと歪むのも、頭が回らないのも喉がからからに乾くのも。そう、普通じゃない。異常だ。いつの間にか。人の心臓に居座って、血液に乗り身体中を駆け巡り気付けばあちこちに転移して無理に取り除こうものならしこりが残って全く手に負えない。なんて厄介な。
伸ばした手を顔の横について、そのまま屈み込む。ほんのりと伝わる体温。呼吸が頬をくすぐる。微かに感じられる肌の匂い髪の匂い。彼の、匂い。体温。血液が沸騰する。どんどんと耳を打ち血管を押し拡げ暴れ回り熱を上げ理性を奪う。
不意に伏せられた睫毛が軽く揺れ、目蓋がうっすらと開く。口の中でなにかむにゃむにゃと呟きながら、瞳がふらふらと彷徨う。
は、と小さく息をついて、身体を起こそうとしたその瞬間に。
手が伸ばされ、傍らに流れ落ちる髪を掴む。指を絡めてつい、と引っ張る。戯れるように捕まえるように。とろりとした視線がこちらを捉え、唇が柔らかく綻んで。
「…ジョイス?」
舌ったらずな声が、名前を呼んだ。
どくん、と一際大きく鼓動が耳を打つ。起こしかけた身体をもう一度、傾けて。両手をつき腕の中に閉じ込める。どくりどくりと身体中に響き渡る鼓動。
今なら、まだ。間に合う。
この手を離して。何事もなかったかのように。風邪ひくぞ、とかなんとか言って。
まだ、間に合う はずがない。
手のひらで頬を撫でる。寝起きの高い体温は、ほんのりと温かく手に心地良い。とろりとした瞳。何が起こっているのかいまいち理解できていないのだろう。更に屈みこみ顔を寄せ、深い色をした瞳を覗きこむ。
だって、心臓が。
君の名を叫ぶから。
そんで、モレノさんに怒られる。
それにしても、300年後には縫合とかしないよねきっと。
それなりに軽い傷ならテープで貼って終わりか、
深いor大きい傷ならステープラーでぱっちんして
ベッカムマシーン(違う)入りではないかと。
うーん、傷を縫うモレノさんって、モエなのになあ・・・。
「私たちも、挙げようか」
「はぁ?何言ってんだお前」
「いいじゃないか。そういうのも」
永遠を、誓う。
「・・・実はお前バカだろ」
「なんとでも言え。・・・ほら」
ロザリオを置いて、その前に、手を重ねて。
「・・・お前、クリスチャンだったのか」
「知らなかったのか?」
病める時も、健やかなる時も。
「死が、二人を分かつまで、だっけ?」
「・・・いや」
「死が、二人を分かつとも」
永遠に。
スタッフも(笑)。そしてここでもモレイア。
イアン・ヴァスティ
エクイップメント 高校は名門校。選手権にも出場。小柄だが小刻みなドリブルと
スピードを武器としたミッドフィルダーだった。
大学に進学し、この頃からプレーのみならず、マネージャーも兼ねるように。
最終的に、チームのバックアップ、選手を完璧な状態でピッチに送り出す
というスタッフ業に目覚め、エクイップメントに。
JBモレノ
チームドクター 兼 トレーナー
高校生まではポストタイプの大型フォワード。将来を嘱望されるレベルにまで
達していたが、目の故障により選手を断念。視力自体に問題があると
いうよりは、デーゲームは勿論、ナイトゲームの照明程度のまぶしさでも、
裸眼で耐えるのは難しいらしい。せめてサッカーと関わりのある人生を、と、
大学は医学部に進み、スポーツドクターを目指した。
ティエリア・アーデ
GK 体格は決して良くはないが、そのハンデを冷静さと判断力で
カバーする、知性派GK。
完璧な読みでスーパーセーブを繰り返すことも多いが、己の判断が
完璧であると自負するあまりの精神的脆さも否定できない。コーチングに
ついてはセンターバックのロックオン・ストラトスに依存している部分が
大きい。
00でサッカー。
ロックオン・ストラトス
DF センターバック。キャプテンであり、守備の要。チームの精神的支柱。
最終ラインからピッチ全体を見通し、チームを統率する。
自陣から前線までピンポイントでパスを出せる、超精密ロングフィードを
最大の武器とする。
「よくまあこの状態で眠れるものだ」
呆れ声の呟きは、当然耳に届いていないのだろう。整備用コンテナの中で、
彼は整備中のガンダムの足にまるでひっかかるようにして寝こけている。
「こんなことだろうとは思ったが」
けたたましい電子音声を張り上げながら、ハロたちが医務室のドアを
飛び込んできた時には薄々わかっていたことではある。なんせ、こんなことは
一度や二度ではないのだ。夢中になると自らの体力のことも考えずに没頭する
癖は、年をとっても変わらないらしい。若い頃から、ちゃんと食事をしろ睡眠を
とれと、何度怒鳴りつけてきたかわからない。結局何を言っても聞きはしないのだが。
それでも、その「役に立たない忠告」のせいで、10の無茶のうち1でも2でも
減ればいい、とも思う。なにしろ。
「無理はするなと言っているのに…もう、若くはないんだから」
目の前で、呼吸に合わせて揺れる髪に、触れる。
手袋越しにも柔らかいとわかる漆黒の髪は、少しずつ白いものが目立ち始めている。
そう、もう若くはないのだ。あの頃と違って。彼も、自分も。
細い肩に手をかけて、うつ伏せの身体をあお向ける。うう、とかなんとか呟いて、
それでも彼は、起きない。一体どれだけ深く眠り込んでいるのか。そのまま
肩を引き寄せて、抱き上げる。こんなことももう、手馴れたものだ。なにしろ、
15年も繰り返してきたのだから。
腕の中にすっぽりと納まってしまう小柄な身体は、また少し軽くなったようだ。
食事に大して熱意を払わないうえに、好き嫌いも多いときては手に負えない。
体重のことを言うと自分こそ、と言い返してくるが、元々食べても肉にならない
体質の自分とは違って、食べればそれなりに肉になる体質の人間が、
必要もなく痩せるのは問題だろう。勿論太りすぎはもっと問題だが。
少し蛋白質を摂らせなくては。この年だからもう肉はいい、とかなんとか
言っているが、反対だ。この年だからこそある程度の蛋白質を摂らないと、
どんどん筋肉が落ちていってしまうではないか。
と、とりとめもなく思考が流れるうちにも、足は医務室に向かっている。
さて、と、医務室のドアの前で足を止める。勿論医務室でもいいし、どうせ
寝かしつけるだけなのだから、彼の自室に連れていってしまってもいい。
だが。
「医者の言うことが、あれだけ言っても聞けないんだから」
踵を返し、一旦通り過ぎた自室に足を向ける。
「何をされても、文句は言えんよなあ」
我が儘な患者には、たまにはお仕置きが必要だろう。
00Pの設定資料における、イアン氏の私服?が
気になって仕方ないんですけど。
それはアロハか?という上着から、何故か半パン
生足なところから、唐突に手袋なところから。
しかもそんなはっちゃけた格好してる割には、
とんでもなくもっさいメガネ・・・。
てか。
300年経っても、視力矯正にはメガネが必要なんですね。
が、あったら、イアン氏も軍服を着るだろう、という。
モレノさんも正装。
そして何故国境なき医師団がいるのかは、つっこんじゃ
いけないポイントです。
ついでに、モレノさんは赤ワイン派、イアン氏はビール派、
とかいう無駄設定もありつつ。
気付いたらもう私はここにいて、思い出せるのは消毒の匂いと白衣の白。
その手は白い手袋に、その瞳は黒いレンズに遮られて直接触れることも
見つめることも叶わないけれど、それでもそれらは私にひどく優しくて
あたたかい。
て、モレノさんがフェルトに優しくて、フェルトもモレノさんを信頼してたらいいな、と。
「ねぇねぇモレノさんはぁ~、どんな女の子がタイプなんですかっっ」
「はぁ?」
「んっとぉ~、クールでぇ、芯が強くて、それでいて実は結構
優しいタイプの人とかー、どうですか?」
「へぇ?」
「それでー、背は高めで、あっでもモレノさんよりは小さくって、
瞳はブルーで、髪は淡い金髪でー・・」
「・・・シャル」
「はい?」
「あんまり、大人をからかうもんじゃないぞ・・・」
ありえない、と思いつつも、そんなにありえなくもないのでは
とか思いもする2ショット。
第二世代→第三世代の過渡期にも、モレノさんは確実に
いたはずだし、ティエリアも第三世代のファーストメンバー
なんじゃないかと思うので。
あとは、ティエリアの身の上にかかってるんだけど・・・。
なーんか、年とったりとか成長したりとかしなさそうなんだよなあ、
この子・・・。
7月号をふまえて、ラブスパイラルに展開したとして。
例の事故でマレーネ(とルイード)を失って、自責やら
後悔やらやるせなさやら哀しみやらこの状況を生んだ
なにかへの怒りやら、何より医者なのに救いたい人達を
救えなかった自分への怒りやら絶望やら、その結果
わきあがる破壊衝動をそれでも外には向けられずに
自分に向けちゃったモレノさん。
と、それを目の当たりにして呆然とするイアン氏、みたいな感じ。
「戦う覚悟は出来ている」
ずっと使いたかったんだけど(某JチームのCMなんです)、
誰に使うか迷ってた。
ロックオンだとなんか悲壮な感じになるので結局刹那に。
しかし、刹那の髪型が掴めませんわ。
なんだあれは普通じゃない脳も神経も筋肉も有り得ない
人為的にまるで改造のような。
年端もいかない子供にあんな真似をまともな人間のすることとはとても。
気分が、悪い。
アレルヤがティエリアに微妙に気安いのが気になる。
ティエリアも微妙にアレルヤには優しい気がする・・・。
案外ティエリアとアレルヤの仲がいいのは、一緒にいた時間が長いから、
だったらいいなー、と。
なあもう1枚。さっきからいくつ目ですかあなたが食べちゃうから
こっちに全然残らないじゃないですかつまみ食いもいい加減にしてよ
いいだろこれくらい。
(お前が焼いたのが食べたいんだよ)
ハウススチュワード→ロックオン
バトラー→アレルヤ、ティエリア
フットマン→刹那
パティシエ兼ティーマイスター→ハレルヤ
てな感じで。
しかし、丁寧な言葉を話させれば話させるほど偽者に・・・。
むしろakiちゃんぽい。(Laputaっていうヴィジュアル系
バンドのVo.)
いや、そのバンドの曲、聴きたいなって思いつつ、
しかもその曲のイメージで描いてたもんで・・・。
見えませんけどバックにはイメージしてたフレーズが。
なに変な顔してんだよ俺が診てやるって言ってんだよ遠慮すんなって。
まさか医者の言うことが聞けないっていうんじゃないだろうな大人しくしてろって
隅から隅まで診てやるからさ。
そんなドクハラセクハラドクターモレノ。どうですか(聞かれても)。